田辺雀山作『青磁唐草文耳付花瓶』箱無
大正から昭和期にかけて文展・日展で活躍した孤高の陶芸家田辺雀山こと田辺武夫氏作の『青磁唐草文耳付花瓶』箱無です。
京都工芸大学で１０年余都合３０年を教職で後進の指導に当たりながら個で釉薬の研究に没頭。
天目・青磁・辰砂を得意とし国から釉裏紅研究を依頼されるなど釉薬の研究者としてもその実力を認められた孤高の陶芸家でも有りました。
当時の釉薬研究の第一人者だったと見る関係者もいたようです。
この青磁花瓶はその代表作の一点。
箱無しですがそのしっとりとした青磁釉を見た時河井寛次郎の青磁色と同じ釉調に思え上手と判断し入手していた作品です。
硬調の青磁が主流の現代に於いて研究成果の柔らかな釉調は現代の青磁作品とは一味異なりニュアンス的にはむしろ葆光磁に近付いていたのかも知れません。
その意味においても興味深い作品です。
実用に如何ですか。
経年感、小傷、擦れ等は有りますが一応無傷の完品です。ただし見込みに降りモノが少々有ります。
幅(耳)１０，２センチ・口径８，７センチ×高さ２２，３センチ。
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