Alto Sax KING made by The H. N. White Co. Clev,d O. 約95年前の年代物、キングのアルトサックス。当時のプロフェッショナルモデルNo.1004です。元々とても状態がよく、オーバーホール済みでちゃんと吹けます。 この時代のサックスだと、ビンテージというよりオールドになると思うのですが、意外と普通に吹けるので驚きます。さすがに操作性はよくないですが許容範囲で、音程も悪くありません。 管体はサテンシルバープレート、キイはポリッシュシルバープレート、ベルのインナーはゴールドウォッシュと呼ばれる金色です。 フロントFキイ付き、ハイF♯キイなし。トーンホールは一般的なドローン(引き上げ)ではなく、ソルダード(ロウ付けまたは半田付け)と手が込んだ仕様です。 当時のキイシステムの特徴として、フォークドE♭キイ(Dの運指で右手の中指を離すとE♭)、右手のG♯トリルキイ(G♯の運指で押すとG)という、現代では見られなくなった2種類のキイが備わっています。 フォークドE♭キイはトーンホールが塞がれていたり、キイがコルクなどで閉じたままにされている個体も散見しますが、このトーンホールが開くことも含めてイントネーションが設計されているはずですので、問題なく機能するように調整してあります。 シリアル番号:978**(1926-27年ごろ) タンポはMusic Medic社のSoftFeel Padで、すべてレゾネーターではなくリベットのみを使ってあります。 刻印はありませんが、現代のA=440-442Hzチューニングで使えるLow Pitch(LP)仕様の楽器です。 当時の広告にも、Low Pitch, A=440Hzと書かれています。 付属品:ケース(取っ手を交換済み、真ん中の留め金具はフタ側が取れてます)、エンドキャップ、マウスピースキャップ、譜面立て、ドライバー(すべて当時の純正品と思われます) 残念ながら当時のマウスピース、リガチャーは付いていませんでした。 実際にサックスアンサンブルの演奏会で、昭和ジャズ系の曲を吹くのに使いました。意外にも音程が取りやすくて、とても吹きやすく、いい音がします。 ディキシーランドやスウィングジャズ全盛期の楽器です。あの時代の音を出してみたい方、ぜひステージを共にしてみてください♪